(3日目からの続き)
青森ツーリングも、いよいよ最終日。
最終日は、尻屋崎へ行った後、林道2本(ダート合計20km)を走るだけなので、朝はのんびり寝坊。8:30発。
秋の青空が気持ちいい朝。
Joni Mitchell の
Big Yellow Taxi を口ずさみながら、尻屋崎へ向かいます。
尻屋崎自体はいい岬なんですが、岬近くの県道6号は、セメント工場や石灰岩の採掘所などが多くて、観光客としてはちょっとビミョーな箇所もあります。
岬を周回する道路へ入ろうとしたら、いつの間にやらゲートができていました。
これなんだろう? お金を払うか何かするのかな??
数秒待っていたら、車両を感知したみたいで、自動でゲートが開きました。
昔はこんなのなかったはずですが、何対策なんだろう?
9:00、尻屋崎着。
おや? 以前は灯台の横にあった駐車場はなくなってるんですね。
ちょっと離れたところにある広い駐車場にクルマを停めて散策。
平日の朝。他に誰もいません。
いつの間にか、浜へ降りる歩道みたいなものが整備されているんですね。
さっきのゲートといい、駐車場といい、10年以上来てないと、色々と変化があるなあ。
灯台のちょっと先に、クルマで浜に降りられそうな所がありました。
これも前はなかったなぁ。
先客がいたのと、特に立入禁止とも書いてないので、行ってみました。
車体下側が泥まみれで、はからずもツートーンカラーのように見えます(笑)。
灯台をパチリ。
しばらくたたずんでたら、地元のオッツァンが話しかけてきました。
オッツァンは漁協の密漁監視員だそう。
談笑ついでに、疑問点を2つほど質問。
岬入り口のゲートは、尻屋崎で放牧・保護されている県の天然記念物・寒立馬(「かんだちめ」と読みます)対策なんだとか。
ゲートがないと、馬が簡単に尻屋崎から出て行ってしまうらしく、尻屋崎から一歩でも出た馬は「寒立馬」としての保護対象ではなくなり、食肉用として競りに出されてしまうらしい。そのための対策とのこと(夜間・冬期はゲートは閉鎖)。
手厚い保護の結果、一時10頭前後まで減った馬が、今は4~5倍に増えているとか。
今、私がクルマを停めているところや、最初の写真の浜へ降りる歩道などは、漁のために近年整備されたらしいです。
本来は関係者以外立入禁止だけど、密漁でもしない限りはべつにいいよと言うことで、黙認とのこと(ゆえに進入禁止の看板とかも掲げていない)。
ウニ、ホッキ貝のほか、拾い昆布漁なども行ってるようです。
オッツァンに別れを告げ、周回道路を走ります。
全国に数々の岬がありますが、尻屋崎は、個人的には三本の指に入るくらい、すごく好きな岬です。
ぶわーっと広く開放的で、これに似た岬を他に思いつきません。
尻屋崎のどこかに「日本最涯の地」とかいう碑があったと思いますが、文字通り「果てに来たなぁ」と実感するところです。
尻屋崎ではお約束の寒立馬と対面。
体高は1.5メートルぐらいなれど…とにかく腹がすごい。全頭妊娠してるかのようなメタボっぷり。
馬は馬でも、同じく保護されている都井岬(宮崎)の御崎馬とはだいぶ違うなぁ。御崎馬はもっと華奢だったような。
人やクルマに驚かないですが(堂々と車道を歩いてたりする)、特段馴れ馴れしくもありません。
近辺のアスファルトにはそこらじゅうに馬糞が落ちてます。以前来たときはこんなに落ちていなかったので、たいぶ頭数が増えたことを、馬糞を見て実感します(笑)。
片付けるの、大変そうだなぁ。
尻屋崎を1周した後、下北半島を南進します。
下北半島の太平洋側、国道338号の尻屋崎寄り区間は、荒涼とした原野の1本道を、緩やかにアップダウンを繰り返しながら快走するルート。
これに似た道もまた他に思いつきません。写真撮っておけばよかったなぁ。「最涯の地」の道を走っていることを実感します。
夕方などに走ると、ちょっと哀愁漂う感じがしたり。音楽で言うと、Neil Young, Tom Waits, Van Morrison などの、少し渋めのサウンドがよく合うかなぁ。
時刻は10:00。
尻屋崎は青空でしたが、南下してきたら、小雨が降ってきました。
老部川林道を東へ行ってみます。
序盤は広めのダート。ちょっと支線が多いですが、それほど迷わないかと。
当然ですが、ちょっとずつ狭くなり。
雨は本降りになったり小降りになったり。
ほとんど展望がない林道です。
序盤の開けた風景はある意味貴重。
前日の佐藤ヶ平林道と同じく、通行止めっぽくロープが張られてるけれど、左脇に、車一台分通過できるスペースがあるパターン。
自己責任で行ってみます。
少し進むと、支線分岐が。
左折・右折どっちがいいのか???
ナビや、複数の地図アプリで確認すると、右折した先が本線のようです。
しかし、ちょっとクルマを降りて確認しに行ってみると、右折先の道は狭く、草や枝が道路に向かってボーボー。この先手入れされているのか不安になるような道です。崩落通行止めなどもあり得る感じ。
反面、左折先の道は、きちんと1車線ある、普通の林道です。
ただ、左折先の看板は「太郎沢林道」と書かれており、支線になるもようですが、どの地図アプリでも、太郎沢林道は表示されません。うーん、左折してこの先どこかにつながるのか?
迷ったあげく、地図に表示されている本線(狭い道)の方へ行ってみることにしました。
ここまでの道と打って変わった感じ。
藪こぎならぬ枝漕ぎ。右の枝(赤丸)を避けても左の木々で擦っちゃうので仕方ない。
キーキー、イヤ~な音をたてながら進みます(-_-;;)
この先も、目の前は枝だらけになったり…
どこからどこまでが道なんだがわからなかったり(笑)。
そんな、「林道」ならぬ「獣道」を走行途中に看板。
おや~??
老部川林道を走っているつもりが、いつの間にか「孫一沢林道」という道になってる???
また支線分岐にぶち当たりました。
右折? 左折? どうしよう。
クルマを降りて、左右の道を見てみます。
どちらの道も、枝や草がさらにボーボー。手入れされた形跡があまりない感じ。さらに獣道化が進んでいる感じで、オフロードバイクで通るのも厳しそう。
さっき書いたように、いつの間にか知らない名前の林道に迷い込んでいる感じもするし…これ以上クルマに傷をつけたうえに、もしピストン林道だったりしたら…もう一度戻ってこなければならない。
決めました。
この段階で引き返します。
もう一度、枝漕ぎしながら戻ります。
またジムニーに痛い思いをさせてしまった(-_-;;)
最初の分岐へ戻ってきました。
前述の、ナビや地図アプリで表示されていない道、太郎沢林道へ行ってみます。
広場でちょっと一休み。
ドロドロのマッドです。
ロングブーツに履き替えました。
しかし、ここから数百メートル行ったところで、獣道化している感じに。
徒歩は可能なれど、クルマは無理っぽいような。
うーん、これは潔くリタイアした方がよさそう。
もう一度、林道の入り口(国道338号の)まで引き返します。
このときの自分の行動を、あとで調べてみました(詳細は国土地理院の地図で調べました。最近林道を走るようになって、地理院の地図が最もあてになることを実感しています)。
青の老部川林道を東へ向かって走ってきたところで、まず「ポイント 1(赤印)」の分岐に突き当たりました。
キーキー音を立てて枝漕ぎしながら通った道は、紫の区間。この道は、老部川林道と孫一沢林道の重複区間だったようです。
道が整備さえされていれば「ポイント 2(緑印)」の支線分岐を左に行けば、老部川林道となり、陸奥湾側に出られたみたいですね(ただし、先ほど書いたように、実際には通行不能でしたが)。右に行くと、赤の孫一沢林道となり、行き止まりのピストン林道だったようです。
再び「ポイント 1(赤印)」まで戻ってきて、オレンジの太郎沢林道へ行ってみましたが、「ポイント 3(青印)」のあたりで通行不能となりました。しかし、仮にここを通ることができても、結果的に行き止まりのピストン林道のようです。
いろいろ調べていたら、
こんなウェブサイトを発見しました。この辺の林道は、奥が深いみたいです。
老部川林道の入り口まで戻りました。時刻は11:30前です。
国道338号を南進します。
県道179号を走ってみます。
県道ながら、ダート区間が10kmあるみたいです。
県道扱いのダートなら、老部川林道のようなことはきっとないでしょう(笑)。
序盤は、杉林の中を行く道幅十分のフラットダート。
晴れてきました。
太平洋を一望できる名無しスポットがありました。
けっこういい眺め。気に入りました(^o^)
数百メートルに渡って、眼下に景色を望みながら進みます。
この後はひたすら林の中を行くジャリダート(展望なし)ですが、フラットで走りやすいです。
そろそろ峠なんでしょうか。標高が高くなってきたので、葉が色づいています。
分水嶺付近。
また雨粒が。天気変わりやすいなぁ。
晴れてたら、紅葉と青空のコントラストがキレイだったかも。
最後の5kmくらいは、舗装林道になって、陸奥横浜へ出ました。
ここから帰宅の途に。
思いつきで出かけた東北ツーリングでしたが、1日目は、目的だった白神のロングダートを走れず、ちょっとガックリしました。
でも、2日目、ダートを求めて下北へ北上する過程で通った十和田~八甲田経由は、道・景色・温泉どれをとっても素晴らしいことを再確認しましたし、3日目・4日目の下北半島は、山深いダートを走破したり迷ったり、かと思えば快走路で思いっきり開放感を味わったり…と、とてもコントラストがあって、青森県の魅力を堪能した濃密な4日間でした。
●本日の走行結果
総走行距離:836kmくらい
うち高速 :443kmくらい
うち一般道:367kmくらい
うちダート:26kmくらい
往路と同じく復路も1日で800km越え。とはいっても、そのうち400km以上が高速道路ですからラクしてますけども。若い頃は金欠で、青森はもちろん、九州まで一般道とかもよくやってたなぁ(笑)。
1日で700~800km以上走ると、船の長旅で下船したときのような感じで、クルマを降りても、しばらくは「揺れている」かのような錯覚に陥ります。
翌日。
ドロドロに汚れたクルマを洗車。
1日泥んこ遊びした後の汚れ落としは慣れてきましたが、4日間にわたって蓄積された泥は半端なかったです(笑)。
洗車ガンの水圧が弱い洗車場へ行ってしまったのも失敗でした。泥がこびりついて落ちない落ちない。
水洗い3回、シャンプー2回コースでした。
納車後半年で、だいぶ傷が目立ってきました。
これで4日間のツーリング記録は終了です。長々失礼しました <(_ _)>